第3章 sniper (岡本)
会場に入ると、沢山の人。
みんな笑顔だ。
ライブ前なのに、こんなに笑顔にさせられる徹也さんってやっぱり凄い。
席に着くと、照明が落ちた…
天井にライトが当たり、徹也さんが会場に現れた。
「王子さまみたい…」
ボソリと呟くと、隣に居たノブくんもコクッと頷き笑顔になった。
緑の光に包まれて、ライブはあっと言う間に終わってしまった。
本当に素敵な時間を過ごせたことに胸が熱くなる。
「やっぱりかっきーさん格好いいですね!!!」
ノブくんもそう言ってくれた。
「楽屋行きますよね?」
「うーん…」
「駄目ですよ。行かないと!」
「だって…」
スマホの画面を私に突きつけながら読み上げる。
『紗友を連れて来い!』
「連れて行かないと怒られちゃいますもん。」