• テキストサイズ

Season~声優さんと一緒~

第19章 Christmas Eve(梶)


今日はクリスマスイブ。

「もしもし?拓真?」

「え?仕事?今夜は一緒に過ごせるって言ったよね?」

「は?何でよ!」

「終わってからでも良い!待ってる!」

「何時になるか分からない!?」

「会えないの?」

「ちょっ…」

ツーツーツーツー。

「何でよ…クリスマスイブなのに…」




外を歩けばイルミネーションに彩られた街並みに呑み込まれそう。

周りの人たちが全員幸せそうに見える。

私だけが……不幸せな気分。

タンブラーに入ったコーヒーを飲む。

「ぬるくなっちゃったな…。」



人が溢れる駅前。

その中に拓真の姿を見つけた。

仕事だって言ってたのに。

隣には私とは正反対な女の子。

カノジョを見つめる拓真の視線を私は知ってる。

私と拓真が出会ってすぐに…
私に向けてくれていた視線だもの。

二人に近づくと、私に気付いた拓真のあわてふためく姿。


あぁ。
やっぱり私は一人なんだ。


手に持ったタンブラーの蓋を開け、中に入ったコーヒーを力任せに拓真にぶちまけた。

/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp