• テキストサイズ

Season~声優さんと一緒~

第19章 Christmas Eve(梶)


ピンポンピンポンピンポンピンポーーン

「………ん」

目を閉じながら、枕元にあるスマホを手探りで探す。

「2時…」

ピンポンピンポンピンポンピンポーーーン

「誰…こんな時間に…」

目を擦り、画面をタップしながらベッドから起き上がる。

「紗友……ちゃん?」

見たところ着歴が同じ名前で、ほぼ埋まってる。

ピンポンピンポン!!

電気をつけて、モニターを見れば見慣れた顔が映る。

「ちょっと待って!今、開けるから!」

待つこと数分。

玄関のチャイムが鳴り、ボクはすぐにドアを開けた。

目の前にいる紗友ちゃんは、目を腫らせている。

「どうした…の?」

「梶くん!!!」

目の周りはメイクが崩れて真っ黒…

鼻は擦りすぎて赤くなっている。

「どっどうしたの?」

「がじぐーーーーん”」

そう言って、ボクの胸にしがみつく。

「うっうっうっうっ」

「紗友ちゃん。どうしたの?」

「うっうっうっうっうっ」

「………参ったな………。」

頭を撫でて、そっと抱きしめる。

「玄関にずっといる訳にいかないし。」

「ここは寒いよ。部屋に入ろう?」


「うっうっ…う…ん」

ソファーに背をつけ、隣に紗友ちゃんを座らせる。

「紗友ちゃん。少しは落ち着いた?」

「うっうっ……うん。」

「話せる?」

「う…ん…」

「ゆっくりで良いよ。」

「う……ん……」

「聞かせて?」


もうすでに真っ赤になった瞳が、またじわりと涙が溜まる。


「あの…ね」
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp