第18章 dish(増田)
「あはは。ごめんごめん。」
「紗友の反応が可愛すぎて意地悪し過ぎた。」
「悪かったよ。」
後ろから抱きしめ、柔らかな髪に唇を落とす。
「な?」
「許してよ。」
耳にキスをしながら、話し掛ければくすぐったいのか肩をすくめる。
「もう…」
「分かった!許すから、離してよ…」
耳を赤く染めて、覗う仕草に腕の力を緩める。
くるっと向きを変えて、俺を見つめ手元にある鍋の蓋をトントンと指先で叩く。
「お腹空いちゃった。一緒に食べよう?」
上目遣いとか反則だから。
「準備するから座って待っててよ。」
「んー。手伝うよ。」
そう言えば、嬉しそうに笑ってくれる。
キミと一緒にいると煩くて仕方ないよ。
自分の胸の鼓動がね。