第15章 cushion(梶)
「ふぅ~ん。」
冷蔵庫から出した麦茶をグラスに注ぐ。
「飲む?」
「飲む~。」
そう言って、足をバタバタさせる。
「?」
「んー!!」
「何してるの?」
麦茶の入ったグラスをテーブルに置いて、ジタバタする紗友ちゃんに近付く。
ピタッと動きを止め、眉を八の字に寄せる。
「起きれない…」
「は?」
「だから…起き上がれないの!」
再び両手両足をバタバタさせて、僕に助けを求める。
「梶くん…助けて…」
「人にモノを頼むのに敬語じゃないんだ?」
いつものトーンより下げて、両腕を組んで見下ろす。
何だろう。
すごく気分が良い。