第2章 with YOU (平川)
「早く拭いて!」
玄関のすぐ横にあったタオルを手に取り、私の胸元に押し付ける。
「駄目です!平川さんが先に拭いてください!」
タオルを押し返す。
「ダメだよ!頼むから!!」
「駄目です!風邪引いたら取り返しがつきません!」
「頼むよ…オレの理性が…」
「へ?」
平川さんの視線を辿り、胸元を見つめると…
「!!!!!」
雨に濡れて薄いブルーの下着が透けて見える。
一瞬で顔に火がついたように熱くなる。
「ごっごめんなさいっ!」
両手で胸元を隠し、グルンと向きを変え背中を向ける。
私は、その時まだ気付かなかった。
白いワンピースが雨に濡れ、背中にもピッタリくっついていることを…