第2章 ~第一章~二人の想い
―ゼノside―
永遠にも思えるほどの長い間、重ねていた唇をそっと離すとユヅキが先に口を開いた
ユヅキ「あの…では、ゼノ様は私との子が欲しくないわけではないのですね…」
「あぁ、…ところでお前は世継ぎについて、どう思っているんだ」
そう言って彼女を真っ直ぐに見つめると、ユヅキは頬を真っ赤に染めながら小さな声で応えた
ユヅキ「私は…今はゼノ様もお忙しいので、すぐにとは言いませんが…いつかは欲しいと思っています」
ユヅキ「…もちろん、ゼノ様が良ければ私は今すぐにでも欲しいですが……大好きな、ゼノとの…愛の証なので…」
そう言って恥ずかしさに俯いたユヅキを見て、ゼノも頬を赤く染めた
(本当にユヅキは可愛いな…こんなに愛しく思うのはユヅキだけだ)
(それに…ユヅキも俺と同じ気持ちなら、もう迷う必要はないな)
ゼノはふっと頬を綻ばせると、ユヅキの耳元に低く甘い声で囁いた
「俺もお前と同じ気持ちだ」
ユヅキ「え…?それってどういう…」
ユヅキが尋ね終わる前に、ゼノはそっとユヅキを抱き抱えてベットへと横たわらせた。
(ユヅキの言葉を聞くと、煩わしく思っていた官僚達の言葉など、どうでもよく思えるな)
(…ユヅキにあんなに可愛いことを言われると、どうにかなりそうだ)
「わからないなら、今からじっくり教えてやろう」
そうして真っ赤に頬を染めたユヅキの首筋に、ゼノは優しくキスをした。