第2章 ~第一章~二人の想い
「それで…ゼノ様は…?」
ユーリ「うーん…はっきりとは聞こえなかったけど、確か今はお世継ぎを設ける気はないって言ってたよ」
「…そう…なんだ…」
わかっていたとはいえ、私は思わず落ち込んで俯いてしまった。
(確かにお互いに忙しくて時間もとれないし、今すぐは難しいかもしれないけど…でもいつかはゼノ様との子が欲しいな……)
そうして切ない溜め息をつくと、ユーリは笑顔で私を励ましてくれた。
ユーリ「でもゼノ様のことだから何か考えがあってのことだと思うし、もしかすると俺の聞き間違えかもしれないから……気になるならユヅキ様から、ゼノ様へ直接聞いてみたらどうかな?」
「うん…でも…ゼノ様、私にまでそんなこと聞かれるの嫌じゃないかな…?」
そうして不安に瞳を揺らす私を真っ直ぐに見つめ、笑顔で力強くユーリは応えた。
ユーリ「ユヅキ様からなら大丈夫だよ!!それに…」
「それに…?」
ユーリ「俺もいつかユヅキ様とゼノ様の子供見てみたいしね!!」
「…っ!!ユーリっ!!」
その言葉に顔を真っ赤に染めた私を見て、ユーリはクスクスと笑いながら部屋を出て行くのだった。