第11章 合宿3日目
「おはよー…」
外が白んでくると、朝日の光に自然と起床のスイッチが入るのか、1人また1人と布団からもぞもぞと這い出してくる。
私は結局あまりよく眠れないまま、朝を迎えた。
「おはよ…って、美咲ちゃんどうしたのその顔?!」
見事な寝癖をつけた道宮先輩がびっくりした顔で、私を見ている。腫れぼったいまぶたをなんとか押し上げて道宮先輩を見るも、視界はいつもより狭まっている。
昨日泣きすぎたのと睡眠不足なのとで、目が腫れてしまっているのだろう。
「あー、やっぱり腫れてます?」
「う、うん…結構腫れてます…」
とりあえず冷やしておいでよ、と皆に言われ、洗面台へと向かう。備え付けの鏡に映る自分の顔を見て、自分でもギョッとする。
あぁ、これは誤魔化しようもないほど腫れている。
多少冷やしたところであまり腫れはひかなさそうに思えたけれど、少しでもマシな顔になるように濡らしたタオルでしばらく目のあたりを押さえておくことにした。
しかし朝食の準備もしなければならない。
急いで身支度を済ませて調理室へ向かわなければ…。
「…っ」
「清水さん、大丈夫?!」
道宮先輩の声に、目に当てていたタオルを外して潔子先輩の姿を探す。
潔子先輩はお腹をおさえてうずくまっていた。
「き、潔子先輩?!」
「大丈夫、ただの生理痛だから」
そう言いつつも潔子先輩は辛そうだった。
同じ女としてその辛さはよく分かる。
「ご飯食べたら、痛み止め飲むから心配しないで」
「無理はしないでくださいね…きつい時は遠慮せず休んでください」
「うん、ありがとう」
力なく潔子先輩が笑うものだから、余計に心配になる。
この人も私に負けず劣らず、ギリギリまで我慢してしまうタイプな気がする。
「朝食の準備、行かないとね」
それでも潔子先輩は精一杯の笑顔を浮かべて立ち上がり、調理室へと向かう。
心配になりながらも、私も潔子先輩の後を追って調理室へと向った。
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「ふぅ」
「大丈夫ですか?」
「うん、薬ものんだし、大丈夫だと思う」
「本当に無理しないでくださいね!潔子先輩が倒れたら大変です…!!」
朝食の準備の間も、痛みに何度かうずくまることがあった潔子先輩。