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【HQ】恋愛クロニクル【東峰旭】

第38章 合宿1日目夜~2日目


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*ヒロインside*

「美咲ちゃん、体調はどう?」

旭先輩が水をくみに行って1人になったところに、潔子先輩がお盆を持ってやって来た。
私の前の席に腰を下ろして、心配そうな顔でこちらを覗きこんでいる。

「潔子先輩…。だいぶよくなりました。今日はご迷惑とご心配をおかけしてすみませんでした」

箸を置いて頭を下げる。
部員の体調を気遣うはずのマネージャーが熱中症で倒れるなんて、マネージャー失格もいいとこだ。

「ううん。ああなる前に気が付いてあげられなくてごめんね」
「そんなこと! 体調管理出来てなかった私が悪いんです」
「誰だって体調崩すことはあるから。今回初めての遠征だったし。バスの中じゃよく眠れないよね。…それに、変におせっかい焼いちゃったしさ。私にも責任があると思って」
「いえ、あれは先輩達の好意ですし……」

旭先輩と少しでも一緒にいられるように、潔子先輩達が気をまわしてくれたのは分かってる。
今回は私が気持ちを上手くコントロール出来なくてこんな結果になっちゃったけど、長時間旭先輩の隣にいられて嬉しくなかったわけがない。

「あれ、そういえば旭先輩は…」

水をくみに行ってしばらく経つというのに席に戻ってくる気配が無い。
給水器の方を見やっても、旭先輩の姿は無かった。

「練習に戻るって言ってたよ」
「あ…そうなんだ…」

さっきまで気まずい思いで向かい合っていたからどこかほっとした。
けれど同時に残念に思ってる自分もいて、ぐらぐらと気持ちは揺れていた。

「東峰と何かあった?」

私の表情から潔子先輩は何か察したみたいだった。
それでなくともいつも私達のことを気にかけてくれている潔子先輩だったから、今までの私達の様子に何か思うところがあったのかもしれない。

「…私、最近旭先輩を避けてたんです。ちょっと、色々あって……。そうしたら…なんで最近避けてるの、ってさっき旭先輩に直接尋ねられて…」
「…美咲ちゃんはなんて答えたの?」
「はぐらかしちゃいました。理由言っちゃったら、気持ち伝えるのとイコールになる気がして」
「気持ち伝えたら良かったのに。…そうしなかったのには、何か理由があるんだと思うけど」

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