• テキストサイズ

【HQ】恋愛クロニクル【東峰旭】

第29章 切れた糸の先


 3日の日、烏野は予選で敗退してしまっている。
その事を美咲ちゃんは知っているのだろうか。

 今、どこで、何をしているのだろうか。
風邪をひいていないだろうか。ちゃんとご飯を食べられているのだろうか。嫌な目にあっていないだろうか。

 同じ東京の地にいるのなら、今日試合会場に来ていないだろうか。奇跡的な再会を果たしたあの時みたいに、また神様が奇跡を起こしてはくれないだろうか。

 揺れるお守りをぎゅっと握りしめて、俺は会場に足を踏み入れた。

 美咲ちゃん。
俺は絶対に君の元に辿り着くから。

 たとえ細い糸が切れてしまっても、見えない糸の先を辿って行くから。だからそれまで、どうか元気にしていて欲しい。

 手紙も電波も届かない君へ、どうかこの想いが届く日がきますようにと、俺は願わずにはいられなかった。
/ 460ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp