第24章 私の居場所
「そんな私が、ここにいていいんだって思えたのは、旭先輩のおかげなんです。私はまだ、応援することしか出来ないですけど……。それでも先輩の、皆の力になれてるって、思わせてくれたから……ありがとうございます」
もう一度お礼を言って、頭を下げる。下げた頭にふわりと優しい感触がして、動けなくなった。
旭先輩の大きな手が、ゆっくりと私の頭を撫でている。
「どういたしまして。……話してくれて、ありがとう」
じわりと、胸の中に旭先輩の言葉が広がっていく。いまだ優しく頭を撫でる旭先輩を、見上げることは出来ないでいた。
滲んでぼやけていく視界の先に映るのは、旭先輩の足元だけだった。