第1章 ~第一章~二人の日常
―プリンセスside―
(恥ずかしいな…でも…)
顔を上げると、ユーリは少し不安と嫉妬を滲ませた目で私をじっと見つめていた。
「その…実は…ジルに注意をされたの」
ユーリ「注意って…どんな…?」
「その…ユーリと…愛し合ってる時の、私の声が廊下まで聞こえてるって……」
(…とうとう言っちゃった……)
恥ずかしさのあまり俯くと、頭の上からユーリがクスクスと笑う声が聞こえてきた
私は耳まで真っ赤に染まった顔を上げ、抗議の目でユーリを見つめた
「もうっ…、笑い事じゃないよ…」
ユーリ「ごめんごめん、恥ずかしがるユヅキがあまりに可愛かったから、つい…」
ユーリ「でも…そっか…じゃあ、皆に俺達がどれだけ愛し合ってるのか知られてたんだね」
「…っ!!、ユーリっ…!!」
私が涙目で訴えると、ユーリは私の肩に顎を乗せて優しく耳元で囁いた
ユーリ「でも、ユヅキの可愛い声を他の人に聞かれるのはちょっと嫌だな…だから…」
「……だから…?」
ユーリ「…今夜は声を出さないよう頑張らなきゃね、ユヅキ」
「でも明日はゼノ様がいらっしゃるから早く寝なきゃ…」
ユーリ「少しくらい、大丈夫だよ…それに俺、早くユヅキのこと食べちゃいたいから」
そう言って意地悪な笑みを浮かべたユーリに少し強く手を引かれ、ベッドへと向かうのだった