第2章 ~第二章~騎士と主
―ユーリside―
アルバート「…おい、貴様どこへ連れて行く気だ」
「ねぇ、アル。久々に剣術の腕試しに付き合ってよ」
そう言ってにっこりと笑うユーリを見て、アルバートは眉を寄せてため息をついた。
アルバート「…お前、それでも一応この国の王だろう。少しは立場をわきまえたらどうだ」
「ふーん…アルは俺に勝つ自信ないんだ?ゼノ様をお守りするのに、俺はいなくても充分だって言ってたのにね」
そう言ってふっと笑いながらわかりやすい挑発をするユーリを見て、アルバートは更に眉を寄せた。
アルバート「…貴様のその言葉、後で後悔しても遅いからな」
「ははっ、そう来なくっちゃ。もしアルが俺に負けたら、シュタインの騎士団長には俺がなろうかな?」
アルバート「フッ…、そんなこと、出来るわけがないだろう。シュタインの騎士団長をなめてもらっては困るな…後で泣いても遅いぞ」
そう言って楽しそうに笑うユーリと、眉を寄せて心底不愉快そうな顔をしたアルバートは闘技場へと向かうのだった。