第1章 ~第一章~二人の日常
―ユーリside―
(……ユヅキ…?)
去り際にジルに何かを言われたらしく、恥ずかしそうにユヅキは俯いていた。
「どうしたのユヅキ?…ジル様に何を言われたの?」
少し嫉妬を滲ませた眼差しでユーリはユヅキを見つめた
すると、ビクッと少し肩を震わせたユヅキは作り笑顔を浮かべ
"なんでもないから、気にしないで!"
と言って席へと着いた。
その姿が気になりつつも、ユーリも作り笑顔を浮かべ
"それならいいんだけど…"
と呟いて席へと着き、二人は少し遅めの昼食をとった。
―――数時間後―…
公務を済ませ、ユーリはユヅキの部屋へと向かった。
(まだ夕食まで少し時間があるし…ユヅキも公務終わってるかな…?)
――コン、コンッ―…
ユヅキ「どうぞ」
扉を開くと、そこにはベッドに沢山洋服を並べて、どれを着ようか悩んでいるユヅキの姿があった。
「どうしたの、ユヅキ?これからどこかへ出掛けるの?」
ユヅキ「ううん、明日はゼノ様がウィスタリアへ来て下さるから、その時に着る服を今のうちに決めておこうと思って…」
そう言いながらユヅキは少し眉をよせて、困った笑顔を浮かべた。
ユヅキ「でもどういう服がいいのかわからなくて…ユーリはどれがいいと思う…?」
可愛く首を傾げながら尋ねてくるユヅキに俺は笑顔で応えた。
「俺はユヅキならどんな服でも似合うし、可愛いと思うよ」
そう言ってユヅキをそっと後ろから抱き締めた