第2章 ~第二章~騎士と主
ゼノ「あいつには…ユーリには、今から言うことを黙っていてもらえるか」
「…はい」
私がゼノ様の言葉に頷きながらハッキリと応えると、ゼノ様はふっと頬を綻ばせた
ゼノ「…俺の父の時代は……前国王の時代は所謂、恐怖政治だった」
「そんな…じゃあ城下の人達は…」
ゼノ「…あぁ、そのせいでシュタイン王国は、今とは比べ物にはならないくらい…その当時、貧富の差が激しかった」
「俺はそれが許せなくて……そのこともあり、俺は若くしてシュタイン王国の王となった」
「でも当時は、今よりも俺が王となったことを反対する人々も多く、治安を安定させるまでには時間が必要だった」
ゼノ「そんな時、ユーリが……俺の弟が母親を亡くし、路頭に迷っていることを知った」
「……あの、これは私の憶測ですが…ユーリは、兄弟がどこにいるかなんて調べればすぐにわかるって前に言ってましたが…もしかして、ゼノ様は…」
そこまで私が尋ねると、一瞬驚いた表情をしたゼノ様はふっと笑みを浮かべた。