第2章 ~第二章~騎士と主
ゼノ「…相変わらず、騒がしい二人だな」
そう言って二人が出ていった後の扉に視線を向けたまま、ゼノはふっと微笑んだ
「すみません、騒がしくて…」
ゼノ「いや、構わない。それより今日は突然どうした」
「あっ…それは、ゼノ様にまだちゃんとお礼を言えていなかったので…」
ゼノ「お礼…?俺はお前たちに感謝されるようなことをした覚えはないが」
そう言って不思議そうにゼノ様は私をじっと見つめた
「その…大変遅くなりましたが、私達の婚姻を認めて下さりありがとうございました」
そう言って私が頭を下げると、ゼノ様はふっと笑みを浮かべた
ゼノ「あぁ、気にするな。あいつは今までよく俺のために頑張ってくれたからな」
そう言ったゼノ様は本当に嬉しそうで、でもその中に少し寂しさを滲ませていた
「あと…ゼノ様に1つ、お尋ねしたいことがあったので…」
ゼノ「尋ねたいこと?なんだ、言ってみろ」
「その…ゼノ様は何故、ユーリに兄弟であることを黙っていたのですか…?」
ゼノ「それは…」
そう言って少し眉を寄せたゼノ様は、真っ直ぐと私を見つめながらゆっくり口を開いた