第2章 ~第二章~騎士と主
ユーリ「アル!!久しぶりだね、元気にしてた?あっ、…もしかして俺に会えなくて寂しかった?」
そんなからかう口調のユーリにアルバートは呆れたように更に眉を寄せた。
アルバート「…そんなわけがないだろう。それより待たされていたのはゼノ様だけではないのだが…」
そんな二人の様子を見てユヅキは眉を下げて今度はアルバートへ深々と頭を下げた。
「…アルバートも待たせてしまって、本当にごめんなさい…」
そんなユヅキの姿を見て、アルバートは罰が悪そうに少し照れた顔を背けながら素っ気なく呟いた。
アルバート「…そんな顔で謝ってもダメですよ。以後、気を付けて下さい。」
(……アルもユヅキには甘いよね…)
ユーリはそんな二人を見て一瞬眉をよせたが、それを隠すようにクスクスと笑いながらアルバートへ話しかけた。
ユーリ「…アルは相変わらず素直じゃないなぁ…あとアルも待たせてごめん。」
アルバート「……あまり反省しているようには見えないが…」
そうアルバートが呟いた後、ユーリがふと真剣な顔になった。
(ユーリ…?)
ユヅキが不思議に思い、首を傾げながらユーリを見上げると、一度だけユヅキを見たユーリはまたアルバートに射抜くような視線を向けて言った。
ユーリ「…あとユヅキをいじめていいのは俺だけだから。いくらアルでも、あんまりユヅキをいじめたら許さないよ…?」
「…っ!!ユーリっ…!!」
その言葉を聞いたユヅキは頬を赤く染めて俯いた。
そんなユーリとユヅキの様子に一瞬、アルバートは呆れた顔を覗かせたが、それがバレないようユーリの言葉を無視して話を進めた。