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イケメン王宮、真夜中のシンデレラ/ユーリ編

第2章 ~第二章~騎士と主


―――翌日――…




ユーリ「ユヅキ!!早くっ…!!」


「待ってっ…、ユーリっ…!!」



私はユーリと手を繋ぎながら、ドレスを翻して客間へと急いでいた。


(だから昨日は早く寝ようって言ったのに…)


そう思いつつ、昨夜の幸せな時間を思い出し私は小さく頬を綻ばせた。






…――今日は久々にウィスタリアへとゼノ様が来てくださる日。

数日前まで私もユーリも公務で忙しく、私達のことを認めて下さったゼノ様へ今までちゃんとお礼をする機会がなかった。

私達はそれがずっと気がかりで、ゼノ様の時間ができたとジルからの報告で知ったのと、私達の公務が落ち着いたので急遽、晩餐会の機会を設けたのだった――…






…――トントンッ…ガチャッ…


扉が開くと同時に、急いだ様子で息を荒くしたユーリとユヅキは深々と頭を下げた。


「「ゼノ様っ!!遅くなってすみませんっ…!!」」


ゼノはそんな二人を見て少し驚いた表情を見せたが、すぐに優しく頬をほころばせた。


ゼノ「…気にするな。二人とも公務で忙しかったのだろう。」


ゼノからのその言葉を聞いて少しホッとして胸を撫で下ろした二人だったが、それを見て少し眉を寄せたアルバートがすかさず口を開いた。


アルバート「……全く…ゼノ様をお招きしておいて二人して遅刻とは…」


その嫌味はまるで聞こえていないように、ユーリは笑顔でアルバートに話しかける。
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