第2章 オリエンテーション
さっきのことがあって、
わたしだけかもしんないけど、、
気まずい空気が流れてる気がした。
わたしだけかも、しんないけど…。
兎希たちが来たときも普段通りにしてたつもりだったけど、それよりも先に渋谷くんが髪を括ってることに気がいった。
今度は括ってるんだ……
残りのクラスの班のチェックをしてると三宅先生が、「もうこれで最後なんだし、あと2班くらいでしょ?もう自分の班に行っていいよ〜早く食べてきちゃいな」と言ってくれた。
みんなが待つ席につくと、兎希が「あれ?もういいの?」と言ってきた。
その席は自然とこれまでにこのオリエンテーションで確立したであろう席順だった。
「最後やから早う食べてきちゃいって三宅先生が」
章ちゃんが自然に言った。
いや、そりゃ不自然だったらおかしいけど…。
あくまで、気まずく感じてるのはわたしだし、章ちゃんももし気まずく思ってたらそれはわたしに対してだし。
「優しーさすが」って兎希が言うけど、さほど心がこもってないような気もする。
渋「ほんならもう行ってええんや?」
一日目にまぁまぁイライラしてた渋谷くんが少し目を輝かせた。
「おん。バイキングしてきてw」
章ちゃんがにこやかに言う。
横「バイキングしてきてw」
横山くんが章ちゃんの言い方に引っかかったらしくて肩を震わせながら席を立った。
章ちゃんとの気まずさ(わたしの勝手なね)を避けるために兎希の傍にくっついた。
兎希「え、何?」
「見張ってんの」
わたしの近さにビビる兎希。
兎希「……何をですか」
「一番最初にデザートコーナーに行かないか」
兎希は前科があるから。
兎希はバレてたっていう顔をする。
兎希「い、行きませんよおおほほほほ」
「あら?そうですかぁっはははは」
兎希は幼なじみでもない。
友達になって3年経ったくらいだけど、章ちゃんとはまた別の居心地の良さがある。