第2章 オリエンテーション
割とすぐに班のみんなが来た。
兎希は豪華だなぁー!と言いながら真っ先にわたしの横に座った。
兎希の言葉に横山くんが自分たちから巻き上げられてるんやでと多少の苦笑いをしていた。その横山くんは章ちゃんの隣を一個空けて座った。
この合宿中に定着した座り方だし、よく良く考えたら教室でも似たような座り方になってる。というかまるっきり一緒じゃない??
教室での座席でお互い向かい合わせになっただけ。
渋谷くんは少しだけ「ん?」という顔をしていたけど「まぁいいか」とでも言うようにそのままその空けられている席に座った。
チラリと横を見ると兎希が緊張してるのがわかった。
この合宿中に定着した席順ではあるけど兎希は慣れないみたい。そりゃそうだよね。
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三「あ!オレンジジュースは先生からのプレゼントです!て言っても『用意してー!』て言っただけだけど〜。みんなそれぞれお疲れ様ってことで。特に班長のこと労ってあげてね〜」
という先生の言葉もあって、それぞれ1本ずつ用意されたビンのオレンジジュースをみんな手に構えてる。
兎希「いやいや!ほんとに!大丈夫だから!足りるから、自分ので!!」
横「いやぁ〜労ってやらな」
安「コップ出しや〜」
兎希「おなかちゃぷちゃぷなるわ!!」
「まぁまぁ、ほら」
兎希「ほらて!!!なんで?!なんで雫までノリノリなの!」
「ノリノリって。人聞き悪いなぁ。わたしも兎希のこと労おうと思ってね?」
兎希「その顔は労う顔じゃない!」
兎希の反応が面白くてついいじっちゃう。
渋「緋刈さんて意外にSっ気あるんやな」
安「せやで。意外やろ。たまにあんねん」
みんなして兎希をいじっていると、今日はずっとムスッとしてたような渋谷くんもあまり気にしてなさそうにしていた。
そういえば広間に来た時から案外普通になってた気がする。
代わりに、わたしが渋谷くんの様子を気にしていると章ちゃんの視線を感じることは増えてた気がするけど。