第2章 オリエンテーション
部活の話を少ししてまた集団行動の練習や校歌斉唱などほんとに言っちゃなんだけど、やる意味がわからないことをやった。
そして夕飯。
安「今日は鍋ちゃうんやー」
兎希たちより先に、夕飯の大部屋に行ってテーブル上に足りないものはないかと確認する。
「だね~それぞれあとから配られるみたいだね」
今日は昨日と違って鍋物ではなく、○○コースのようなもの。
「副菜?とかそういうのは大皿で来るって言ってたよ」
安「そうやっけ?」
聞いてなかった、と章ちゃんが照れ笑いをする。
そういう仕草が章ちゃんが誰からも怒られないところなんじゃないかと思う。自分がしちゃいけないことをしたとかそういう時にするんじゃなくて、今みたいにちょっと話を聞いてなかった時とかに「ごめん」と言いながら、てへへ、と笑うのだ。その仕草が女の子よりも可愛くて、計算してやってるようには見えないのが不思議。
三「んっんんー!」
後ろから三宅先生が口元をグーで抑えながら喉を鳴らした。
「あ、」
三「準備は順調ですかー」
「は、はい」
三「先生の話は聞いてましたかー」
安「少しだけ…」
章ちゃんが答えにくそうに言うと、「えー!!!全部聞いててよー!俺頑張ってたのにい!」と三宅先生が口を尖らせた。
…ん?先生だよね??わたしたちと同い年とかじゃないよね??
端々が子供みたいで戸惑う。
戸惑うのと同時に、少し嬉しい。今まで、というか多分これからもなんだけど、基本的に目立たないように目立たないようにと学校生活を送ってるから、先生からしたらそんなにる記憶に残る子でもないし、手のかかる子とかでもないと思う。そんなわたしでも三宅先生はこうして話しかけてきてくれるから、嬉しい。
三「今日のねーご飯も美味しいと思うよ~」
クルクル〜とトンボの目を回すような動きをされる。
先生、わたしトンボじゃないです…。
わたしたちが三宅先生と話してるのに気づいて、他のクラスの図書委員の子達も「三宅せんせー」とウキウキと集まってきた。
その集まってきた女の子の中にはちゃっかり章ちゃんの隣に立って、章ちゃんに話しかけていた。
ム、てしてしまってないかな…。
慌てて自分の顔をぶにぶにと手で覆って揉んだ。