第2章 オリエンテーション
兎希の反応に渋谷くんが「こわ!てwww」と笑う。
章ちゃんも「怖いなぁ?」と兎希の反応がツボだったようで笑いながら言う。
…良いなぁ…兎希は。
なんだかんだ言って、リアクションとかが面白いから、こんな風に人を笑顔にする。
それが羨ましい。
兎希「ま、え、や、やっさんのことだよね…?」
横「安と妖怪ケツ洗いは同じもんなん?w」
渋「わからへん。もしかしたら乗り移られてんのかも知らん」
渋谷くんが真剣な表情で言うもんだから、見たことのない、むしろ初めて聞いた兎希が真剣な顔で悩んでるような顔になってしまった。
渋「今日はどうやろなぁ」
横「見てみたいなぁ」
しみじみと言うから思わず少し笑ってしまった。
そんな話をしていると、大浴場に着いた。
「またあとで」と言ってそれぞれの風呂場に入っていく。
兎希「てか雫、ヤッさんがお尻から洗ってんの知ってたの?」
兎希が服を脱ぎながら聞いてきた。
「うん。…なんでか小さい頃からお尻だったんだよね…。まぁわたしもそんな何回も章ちゃんと一緒に入ってたわけじゃないけど…」
お尻がムズムズしてるのかな?
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兎希「あ、ねえ、ラリーのとき、何話してたの?」
なかなか空かないシャワーを終えてお風呂に浸かると兎希が興味津々に聞いてきた。
「え?」
兎希「ふたりで歩いてたじゃん?その時。」
「え〜?…特にこれと言っては…」
兎希「会話は必要ないってことかな??」
「ん?ん?」とからかうように顎をクイクイ動かす兎希はどこかおじさん臭い。
「昔の話とかしたくらいかなぁ」
兎希「昔の話?」
「うん。小さい頃、一緒に山登りしたんだけど、わたしが下りでポンポン行ってる時に転びそうになっちゃって。それを章ちゃんが下敷きになってまで助けてくれたの。」
兎希「下敷き?!」
「ほんとは章ちゃんまで転ぶ気はなかったらしいんだけど、まだ小さかったからねえ…一緒にバランス崩しちゃったんだって」
そう話すと兎希が「やっぱ幼馴染みっていいね〜」と深くお湯に浸かった。