第2章 オリエンテーション
兎希「そ、そりゃあそうでしょ!!お、おおおさななじみだしっ?ヤッさん、その髪だし??!」
わわわわ、と兎希が慌ててフォローしてくれる。
「そっ、そう!そうそう!金髪ってこの学年に章ちゃんしかいないんじゃないかなぁ〜??あはははは…」
固まっていた空気が動き出す。
安「え、あ、そ、そうやんなぁ〜!この頭やもんなあ!!あはははっ!そういう、意味やんなぁ…!」
あはは、と笑う章ちゃんはどこかぎこちなく感じた。
心なしか、顔や耳も赤い気がする。
安「そーーーーいえば!大浴場とか久しぶりやんなあ、入るの!」
ぎこちない章ちゃんがぎこちなく話を変える。
渋「まぁそんなしょっちゅう入るもんでもないしなぁ。家に風呂あるんやから。」
横「俺は弟達がおるから一緒に入る時とかはたまにはっつって近所の銭湯行く時あるわあ」
あ、そっか
横山くんには年の離れた弟くんたちがいたっけ。
横山くんよりも人懐っこくて、物怖じせずにわたしや兎希に遊んでとせがんでくる。
安「泳いだらあかんからねえ」
章ちゃんが横山くんと渋谷くんに向かって言う。
横・渋「「泳がへんわwww」」
兎希「とか言いながらやっさんが泳いじゃったりして~~」
わたしを挟んで兎希が前屈みになりながら章ちゃんに言う。
「章ちゃん、だめだからね」
章ちゃん、そういうとこあるから。
安「え〜〜?前フリ~〜???」
手で後ろ髪を押さえるようにして章ちゃんが笑う。
渋「あ、妖怪ケツ洗い出るんとちゃう」
横「あっ!」
その「あっ!」に兎希が「うるさ…」と聞こえるか聞こえないくらいの声でぼやいた。
横「俺、妖怪ケツ洗いまだ見たことないねん!」
ま、ま、さか…
「章ちゃん、まだお尻から洗ってるの?!」
この歳にもなって?!
わたしたちの会話についていけなかったのか、兎希が控えめに、「あの…妖怪ケツ洗いって?」と聞いてきた。
答えようとすると、わたしの代わりに横山くんが答えた。
横「ケツから洗う妖怪やねん。ケツ洗った後、顔に行くねん」
その説明を聞いた兎希は
「はっ?!こわ!」
と自分の肩を抱いた。
そ、そんな反応しないであげて…w