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青い春【KJ∞】

第2章 オリエンテーション





その後の下りでわかったのは…。




『雫!すたこら行かんの!』






…わたしは下りが速いということだった。




のぼりと違って、筋肉をあまり使わない感じが気に入ったのか、わたしはポンポン、と駆けてた。




『負けてられへん!』




うしろでそんな叫び声にも似たような決意の声が聞こえると、お父さんの、『あっ!こらー!』という困り気味の声も聞こえた。



あっという間に、章ちゃんも隣に来ていた。


それに気づいて、章ちゃんの方を見ようと、足元から視線を外した時。



『あっ』



ぐらり、とバランスを崩した。



次の瞬間には、べしゃり、という音がしていた。




『いってえ〜!!』




転けたのはわたしのはずなのに、章ちゃんの痛がる声がした。
不思議に思って見ると、わたしを支えようとしてくれたのか、わたしよりも先に章ちゃんが転けて、その上にかぶさるようにわたしが転けていた。




両親に心配され、アンタがポンポン行っちゃうからでしょ、と怒られ。





でも、その後に、『あぶないから、手ぇ、つないでこ?』そう言って、章ちゃんが手を差し出してくれた。















*******






「一緒にこけたの、あれが最初で最後かな?」



今も隣に居てくれる章ちゃんに聞いた。





「せやんなぁ~…。おれ、軽く落ち込んでたんやで、アレ。」



章ちゃんが眉をハの字にして、苦笑いをした。



「えっ、なんで?」


「なんでって…そりゃあ、一緒に転けたからやろ。しーちゃんがこけへんように、支えよう思ったんに…。」




軽く頭をかいて、恥ずかしそうに章ちゃんが笑った。





…昔から、章ちゃんに迷惑をかけてばっかだったんだなぁ…。












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