第2章 オリエンテーション
…悔しい気もするけど、ここでむかついた表情したら負けな気がして無視をした。
安「あ、それ、おれにもちょーだい」
「あ、いいよ」
安「やった〜ありがとう~」
章ちゃんが好きなもの、好きそうなもの。
大体分かるようになっていた。
多分、ずっといるから、無意識のうちに。
ずっと、章ちゃんのこと、見てたから。
いつの間にか自分の好きなものも章ちゃんに似てきてしまったみたい。
横「自分でとったらええやん、安」
わたしたちのやりとりを見ていた横山くんが言った。
安「もうおれの皿いっぱいやし、これだけのためにこの皿置いてもうひと皿行くんもめんどくさいんやもん」
えへへ、と眉を下げて章ちゃんが笑う。
章ちゃん、こういうとこ、何気にめんどくさがりさんなんだよね。
それも知ってる。
「あたしデザートのためやったら何回でも取りに行くけどね」
そう言ってドヤ顔をした兎希が横を通り過ぎていった。
……「いや、もう既にデザートとってるし!」
結局メインの隣にデザート乗っちゃってるよ!