第2章 オリエンテーション
クラスの何班が来たか、あとその人たちのスペースを教えるのもわたしたちの役目。
横「安!俺らどこ!」
さすがわたしたちの班。
一番に来てくれた。
「あっちやで〜俺らも揃ってからやからちょっと遅なるかも知らんけど待っとってやあ」
渋「ほんならこんな早よこんでも良かったな」
兎希「まぁ…その分ゆっくりできると思えば、ね?」
3人のためにも他の班が早く来てくれるといいけど…。
渋「何やねん。早よ来いっちゅーねん」
わたしと章ちゃんが席に行くと、男子と女子向き合うように座っていて、渋谷くんが不機嫌になっていた。
渋「時間に余裕持てっちゅーねん!」
横「おなかすいてんな」
ほかの班の集まりが少し悪くて遅くなってしまったことで渋谷くんの機嫌は悪くなったらしい。
兎希「まぁまぁ、ごはん、取り行こ?」
渋谷くんの向かい合わせに座っていた兎希が宥めるように言うと、「お、おん…」と大人しくなった。
…意外に人の言うこと聞くんだ…(失礼)
「何食べようかな…」
バイキング形式のっていろいろありすぎてどれ食べようか悩むんだよね……どれっていうかどれから、かな?
「あっ、こら」
兎希「げっ、」
視界の端に映った兎希の行動に思わずツッコミを入れる。
「最初っからデザート取っちゃだめでしょ?」
兎希「な、なくなっちゃうじゃん?」
「そうじゃないでしょ、デザートメインで食べようとしてたんでしょ」
そう言うと、ううう、と悔しそうに呻いた。
横「なんなん、また怒られてんの」
兎希「またって!そんな怒られてないよ!」
安「しーちゃんもあんま食べすぎたらあかんで。このあとウォークラリーあんねやから。たくさん歩くんやで?」
「うっ」
兎希のこと言ってたらわたしまで言われてしまった。
わたしが章ちゃんに言われてるのを見て兎希がざまあみろとでも言いたげに笑う。