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青い春【KJ∞】

第2章 オリエンテーション




「ぅ〜…ん」



微かな笑い声が聞こえて目を覚ますと、兎希がケータイを向けてきていた。




うわ、撮られた、と思うのと同時に、
自分の頭が寝始めた時とは逆に向いていることに気がついた。



あ、



「…ん?おれら撮られてたん??」


寝ぼけ眼の章ちゃんが言った。


すぐ横で章ちゃんの匂いがしてると思ったら、
どうやら章ちゃんの肩にもたれかかってしまっていたらしい。





…だから、夢に章ちゃんが出てきたのかな…。


…っというか、

「写真撮らないでよ…」

「ごめんごめん」



寝顔を撮られるなんてすごく恥ずかしい。
撮った本人は笑ってるし。
きっとひどい顔で寝てたに違いないんだ…。










目的地に着いたバスから降りる時、兎希が「あとでケータイ見てね」と言ってきた。


そして、部屋についた後見てみると……







「!!!」


送られてきた画像には、
わたしが章ちゃんの肩にもたれかかるように頭を置き、その頭に寄りかかるように章ちゃんが頭を寄せて寝ていた。




な、なにこれ…!
恥ずかしいというか、なんというか!!



「幼馴染みって感じがするけど、すごく仲のいいカップルって気もするね?」

「はっ?!」



か、カップル?!


「ほ、ほら、高校生にもなったらこういう写真て幼馴染みっていうより、カップルって感じがしない??」



つい大声になったわたしに気圧されながら、兎希がわたわたと話す。
本当に、この部屋がわたし達だけの部屋でよかったと思った。




「な、何がよう…!どう見たって幼馴染みじゃんっ」

「う、うん、そう、だね、うん、ごめん」




「落ち着いて」と兎希が宥めるように手でどうどう、としている。



「…ふぅ…」

「お、落ち着いた?」

「誰のせいだと…」

「あたしです……」





「着替えよっか…」

「うん」




体操服とジャージに着替えた後、昼食を食べてから早速、ウォークラリーが控えている。
問題に答えながら山道を探索するというようなものだ。









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