第2章 オリエンテーション
「せやったら係何もないやろ?すばるか兎村がせえや!!」
と横山くんが爆発。
「えっ」
「はぁ?」
それに渋谷くんと兎希が眉間にシワを寄せて対応した。
「まじで?そう来る?きみた、そういうの良くないよ」
「ほんまや。あかんで、そういうの。」
二人揃って横山くんを責めた。
「なんで俺がこんな言われてんねん!おかしいやろ!」
ってな感じの言い合いが続いた。
「お前らまだ決まってないのか~?」
と坂本先生の声がかかった。
「すばると兎村が班長してくれへん!」
「あー?じゃあ班長したヤツは軽音部の部長免れるってことでどうだ」
「なんで軽音部」
と渋谷くんが突っ込んだ時______
「じゃあはい!!!」
と元気よく兎希が手を挙げた。
「?!!」
渋谷くんが目を丸くした。
実はみんなで軽音部に入ることを決めた。
が、
話によると、今入っている人たちは幽霊部員で、全く部活動をしていないらしく、その為、部長副部長もいないようなものらしい。
だから、わたしたちの中から新たに部長副部長を選出して、と先生から言われていた。
ちなみに兎希は美術部の部長をするから軽音部のまでしたくないって言っていたんだけど、村上くんや横山くんが「それは理由にならん」という言い分を通してきたので、兎希にも軽音部部長の危機が迫っていた。
ということを含めて…
「わたしが班長します…!」
と兎希が宣言した。
「きみた学級委員してるからね!押し付けるの良くないよね!」
「おい!お前さっきまで___」
横山くんが抗議をする。
「うるさいよ、誕生日席のよこやまくん。班長に口応えしないで頂こうか」
そう言って、兎希が掛けていたメガネをクイッと上げる。
「そういうタイプの班長なんやw」
そのやり取りを見て渋谷くんが笑うと、兎希が恥ずかしそうに顔をうつむかせた。
「兎希ちゃん、よっぽど軽音部の部長したないんやな」
机を動かして班を作っているので、今は向かい側に座っている章ちゃんが言う。