第1章 わたしの
「日本史担当。やから主に2年生からなんだけど…自分ら、1年生やろ?1年生の方はあんまし担当ないんだよなぁ…」
「へぇ〜」
あまり意味がわからないけど…1年生はまだ詳しくは分かれないからってことなのかな…?一応公民もある、みたいなこと言ってた気がしなくもない。
「まっ、図書委員でよく顔合わせるかも知んないし。岡田准一、准ちゃん先生でもええよ」
にこっ、と気さくに笑う。
関西弁混じりな先生だ。
「准ちゃん〜」
章ちゃんもにこにこしてるけど…「先生」は???
「さっそく先生つけへんのかーーーーい…って、なんや君、健くんみたいな子やなぁ」
「「健くん??」」
「うん。健くんはなぁ…何組だったかな…1年生の担任になっとるはずやから、俺よりよう見かけるようになるんとちゃうかな。三宅っていう…」
「三宅……っあ!7組の?」
「そうそう」
「7組言うたら信ちゃんおるやん」
村上くん、7組だったんだ(知らなかった)。
「8組だからお隣さんだ」
「せやん!」
「岡田先生、三宅先生って若い先生ですよね?」
「うーーん…若く見える先生、かな」
「えっ」
「俺より年上やで、あの人。」
…
「「えええええ??」」
「う、うそ…」
「人って見かけによらんなぁ…」
そんな話をしていると図書室についた。
「スリッパに履き替えてから入れよ〜」
「「はーい」」
「昼休みと放課後の当番かぁ…放課後のとき、結構長いね」
委員会が終わり、荷物をまとめる。
「せやね。でもしーちゃんがおるから退屈せえへんわ」
章ちゃんが鞄を持ちながらサラリと言った。
…ほんと…ずるいというか…なんと言うか…
なんでこういうことサラリと言えちゃうんだろう。
どれだけその言葉にわたしが浮かれちゃうか知らないんだ。
…知ってたら大変だけど…
「しーちゃん?」
「っん??」
「どうしたん??」
「いやっ、何でもないよ!!どうする?これから。」
美術係を選んだ兎希は美術部を見てみるって言ってたけど…まだいるのかな…あと軽音部の有無も見てくれるって…。
「んー…帰る?部活ならまた明日でも大丈夫やろ。」
「そう、だね?」
ケータイを見てみると、メッセージが来てた。
「兎希があたしに気にせず帰って大丈夫よって」