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青い春【KJ∞】

第1章 わたしの



「早く出たともメッセージ来てないしなぁ…」


「寝坊かもやね」




あの兎希が、寝坊?
低血圧ながらも、
「だらだらしてたらいつまでも起きれないから飛び起きるようにしている」という兎希。
だから寝坊なんて滅多にしないけど…


今日はその「滅多」の日なのかな。








学校につくと、やはり兎希の姿はなかった。
ちなみに横山くんや、渋谷くんの姿もない。



兎希にはメッセージ送っとこう。





席に着くと、隣に座った章ちゃんが「そういえば、」とこちらを向く。



「多分、委員会とかのも今日やんな?」


「うーん…なんかそんな感じのこと言ってたような言ってなかったような…」



聞いてるようで聞いてなかったりする。

でも学級委員とか主要な委員は先に決めとかないと先生が大変だったりするしね。



「しーちゃんのことやから図書委員やろ?おれも図書委員なろっかな!」

ふふっ、と章ちゃんが笑う。


そんな風に言ってもらえるだけでも嬉しい。
まぁ、幼なじみだから気楽っていう事なのだろうけれど。


「…でも兎希も本好きだからなぁ…」


兎希とは本当にいろいろ趣味が合う。
正反対なようで似ているし、似ているようで正反対。


「あ〜、そっか…ほな2人で図書委員?」


「でも委員って男女1人ずつじゃないの??」

少なくとも中学まではそうだった。




…でも章ちゃんと同じ委員っていいなぁ…
今まではクラスが違ったから気にせず選んでたまたま章ちゃんと同じだったとかあったけど…
まさかこんな所で支障が出るとは。




ブブッ、

「兎希からだ」


「なんて?」


「寝坊しました、だって」

「あ〜やっぱし〜」



「でももうバス停ついたみたいだよ。1本くらいしかバス変わらなかったのかもね」


「そうやなぁ」



こうして話してる間にも、既に登校している、昨日からクラスメートになった女の子たちは章ちゃんを見ている…ようだ。
視界の端にちらちら見てるのが分かるし、今まで何度も受けてきた痛ーい視線も感じる。




…これが毎日…続くわけじゃない、よね?










少しすると、渋谷くんが登校してきた。




「あ、おはよお、しぶやん」


「おん」
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