第1章 わたしの
「っ、、なに、言ってんの」
しーちゃんがぎこちなく、笑う。
あぁ、やっぱし。
時々、今みたいに本心をまっすぐ、真剣に言うと、しーちゃんはぎこちなく笑う。
困ったように。
ほんまは、嫌われてんのとちゃうかって、思うねんけど、でもそうだと言われるのも怖くて、何も言えない。
だから、
「冗談やって」
そう言って、笑って、誤魔化す。
そうしたら
しーちゃんも、
「っもー!」
顔を赤くして、ふざけないでよ、とちゃんと笑ってくれるから。
やっぱし、どうしたって、
しーちゃんにとって、おれは、
幼なじみでしかないんやろか_______
章ちゃんと少し話した後、
すぐに自宅に戻って、ベッドに入った。
けど、
(び、っくりした…)
『ほなしーちゃんが、一緒に住むようになったらちゃんと締めるわ』
って何!
どういうこと?!
冗談だって章ちゃん笑ってたけど、笑ってなかった。
なんていうか、ぎこちないというか、
本当の笑い方じゃなかった。
いや、多分わたしもちゃんと笑えてなかった。
自惚れた自分が恥ずかしかった。
でも、冗談なんだから…。
うじうじと
今までも繰り返した考えを
堂々巡りのように考えていたら
いつの間にか眠ってしまっていた。
~~♪
「んん」
ケータイのアラームが鳴る。
止めた後もなかなか起きれない。
「雫ー!起きなさいよー?」
う…
下からお母さんの声が飛んできた。
起きなきゃ…
「章大くんも来てるわよ」
え?!
「なんで!」
ケータイの時間を見てみるも、まだ待ち合わせの時間じゃない。
でも章ちゃんが来ているとなれば、急ぐこと他ない。
「章ちゃん、どうして」
一階についてすぐに座っている章ちゃんの姿を見つける。
「いやぁ、またギター弾いてたら3時とかなっててなぁ…その後、よう寝た思って起きたら6時やってん。それで暇やったから来てもうた〜」
来てもうたって…