第8章 言えば伝わる
ヘルメッポが真剣な顔でコビーに話している。
「いいか、コビー。必ず自分から言うんだぞ」
「分かった」
「俺が見たとこ、絶対そないやったらちゃんもお前のこと好きだから。後はお前が告白するだけだ」
「分かった」
「よし。お前も男だからな、しっかりしろよ!」
「分かった」
「・・・コビー、分かった以外言えないのか?」
「・・・うん」
(大丈夫かよ、コビーのやつ)
少し間を置いて、コビーが口を開いた。
「何を着ていけばいいのかな」
「どんな店行くんだ?」
コビーは雑誌を見せる。
「お前・・・店はいいよ、すげーいい店だと思うよ。だけど、ハードル高くないか?大丈夫か?」
ヘルメッポは冷や汗をかいている。
「うん。もう予約しちゃったし、行くしかないよ」
コビーは冷静にしゃべる。
「お前、変なところで落ち着いてるよな」
「退路を断ったからね」
当日になって尻込みしないように、コビーは自分を追い込んだらしい。
「じゃあ、服を考えないとな。これだけの店だったら、少しカチッとしないとな」
そう言いながらヘルメッポはコビーのクローゼットを開ける。
「・・・コビーくん。君はジャケットの一枚も持ってないのかね」
「僕もガープ中将やボガードさんみたいにスーツを買わなきゃとは思ってるんだけど・・・」
ヘルメッポはやれやれと溜め息をつくと、コビーを連れて服を買いに街へと出掛けた。
「なんで俺がここまでしなきゃいけないんだ」
「ありがとうヘルメッポさん。頼りにしてます」
「いーえー、コビー曹長のお頼みとあらば」
コビーとヘルメッポは店へと入っていった。