第8章 言えば伝わる
「もう、落ち着かない感じはなくなりましたか?」
そないやったらがコビーに尋ねる。
「はい。ガープ中将に鍛えていただいたお蔭で、なんとかコントロールできるようになってきました」
「良かったですね!入院してる時はそわそわして、大変そうだったので・・・」
「あ、ありがとうございます!そないやったらさんに心配してもらえるなんて・・・」
コビーが入院中そわそわしていたのは、覇気のせいだけでなく、そないやったらのせいでもある。
(そないやったらさんが僕を心配してくれるなんて嬉しいな。しかも、入院してる時から気にかけてくれてたってことだよね!)
コビーは顔を赤くしてニコニコしている。
そこへ黄金色のスープが運ばれて来た。
「〝うるし”を使ったスープなんて初めて飲みます!」
「僕もです。かぶれないんでしょうか・・・ウェイターさんは大丈夫だと言ってましたが」
二人は恐る恐る口へスプーンを運ぶ。
「!」
二人は顔を見合せる。
「美味しい!」
同時に感嘆の声をあげた。
「これ、すっごく美味しいですね!」
「びっくりしました!世界には色々な料理があるんですね・・・僕は、海に出てから世界が広いということを知ったつもりでいましたが、まだまだ知らないことが沢山あります」
「コビーさんって、海軍に入隊する前は何をしていたんですか?」
コビーは簡単に、ルフィやゾロとの出会い、海軍に入隊した経緯を話した。
「それで・・・えっと、リカさんともゾロさんのことで知り合ったんです・・・」
コビーはおどおどしながらリカの名前を出した。
「そうだったんですね・・・ごめんなさい。私、突然怒ったりして・・・あの、自分でも上手く言えないんですけど、なんだか急に嫉妬しちゃって・・・」
そないやったらは最後、消え入りそうな声で話した。
「嫉妬・・・?」
コビーは驚いた顔でそないやったらを見ている。
(嫉妬って、そないやったらさんは僕に好意を持ってくれてるのかな?!)