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潮風【コビー】

第8章 言えば伝わる


「まだ言ってないのかよ!!ありえねぇよ!!」

ヘルメッポが食堂で大声を出す。

他の海兵が何事かとヘルメッポとコビーに視線を集中させる。

「ヘルメッポさん!声が大きい!」

「・・・!す、すまねぇ・・・」

慌ててヘルメッポは口をつぐむ。

今度は小声でコビーに問いかける。

「お前、なんで言ってないの」

「なんだか恥ずかしくて・・・」

「はぁ?言えよ!奥手にも程があんぞ!」

コビーは真っ赤な顔をして、目の前の膳を見つめている。

「んー、お前のいいとこでもあるけどさぁ。早く言った方がいいぜ」

ヘルメッポは両手を頭の後ろに回し、そばにいた女性海兵に声をかける。

「なあなあ、女の子はやっぱり男から告白されたら嬉しいよな」

女性海兵は急に話題を振られたので少しびっくりしたようだが、「そうですね。言ってもらえたら嬉しいです」と答えた。

「好きな人と脈あるかなーって思うとするだろ?けど、なかなか言われなかったらどう思う?」

「まあ、ダメかなと思います」

「だよなー。ありがと!」

そう言ってヘルメッポはコビーに向き直る。

「聞いたか?そないやったらちゃんを不安にさせんじゃねえ!早く言え!」

コビーはポカンとした顔でヘルメッポを見つめている。

「なんだよ」

「ヘルメッポさんって、女性の心がよく分かるんだね」

ヘルメッポは得意気に「まあな」と鼻をこする。

「なんでモテないんだろう」

「うっせーよ!!!」

ヘルメッポはサングラスで涙目を隠した。
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