第8章 言えば伝わる
そないやったらもコビーも会えない日々が続く。
二人とも勤務内容に大きな差はあれど、海軍に属する者だ。
休日も不定期であるし、コビーが非番の日はそないやったらに仕事があり、その反対も当然ある。
有休もそうそうは使えない。
ほんの一時、互いの電伝虫で話し合うのが二人にとっての安らぎであった。
「コビーさん、今日はこんなことがありました」とか、「そないやったらさん、火傷はもう治りましたか?」とか、話題はささやかなものだったが。
そないやったらと話す時のコビーは、本当に嬉しそうな顔だ。
「そないやったらさん、それではまた電話します。おやすみなさい」
「コビーさん、おやすみなさい」
電伝虫に受話器を戻し、コビーはそっとため息をつく。
「会いたいなぁ」
ぽつりとつぶやき、そうして、天井を見上げた。