第2章 会いたい
コビーはヘルメッポが帰った後、ずっと毛布を被っていた。
「ヘルメッポさんはそないやったらさんの作る食事が悪いって言った訳じゃないのに・・・どうして僕はあんなに腹を立てたんだろう。なんだか、最近おかしいな。こんな調子じゃ大将になるなんて夢のまた夢だ・・・僕はどうしたんだろう」
コビーは頭の中で同じことを繰り返し考えている。
そんなことをしている内に、眠りに落ちていた。
「・・・さん、コビーさん」
「コビーの奴、ずっと毛布被ってんだ。そないやったらちゃん、コビーの食事は俺が貰っとくよ」
そないやったらと隣の患者の会話が聞こえる。
コビーはガバッと跳ね起きた。
「そないやったらさん!」
「おお、起きた」
周りの患者達が驚いている。
「コビーさん、お夕飯です。大丈夫ですか?」
「あ、はい!いただきます!」
「食欲ありますか?」
「ありますっ!」
トレーの上には、アラ汁や海王類のソテー、海藻のサラダが炊き立てのご飯と共に載っている。
「そないやったらさん、あの、ご迷惑をおかけしてすみません」
「そんな、迷惑なんてかかってないですよ!」
そないやったらがにっこりと笑う。
コビーは耳まで真っ赤にしながら、急いでご飯をかきこんだ。