第7章 強くなるんだ
コビーはそないやったらから少し体を離した。
「そないやったらさん・・・」
そないやったらは顔を伏せている。
「あの、ごごご、ごめんなさい!」
コビーは慌てて、両腕をほどいた。
「コビーさん、抱きしめて下さい」
そないやったらは顔を伏せたまま、コビーに言った。
コビーは驚きつつも、もう一度、そないやったらの体を包んだ。
「・・・そないやったらさん、大丈夫ですか?泣いていたので、怪我が痛むのではと思って・・・」
コビーがおそるおそる聞くと、そないやったらはコビーの腕の中で静かに話した。
「・・・コビーさんにひどいこと言ったバチが当ったんだと思って・・・火傷はするわ、足はひねるわ・・・なんだか最近ツイてなかったので・・・転んだ時はもう悲しくて、やるせなくて、コビーさんのこと何度も心の中で呼んでたんです。そうしたら、コビーさんが目の前に現れて・・・」
そこまで話すと、そないやったらはまた涙を流し始めた。
コビーは優しくそないやったらの頭を撫でた。
「もう大丈夫ですよ、そないやったらさん。僕がついています」