第7章 強くなるんだ
「コビーさん!」そないやったらの声が頭に響いた。
瞑想をしていたコビーは目を見開いた。
「誰ぞの声でも聞えたか」
隣で見守っていたガープが声をかけた。
「はい」
「他の声はするか」
「いえ、しません。他人の気配も気にならなくなりました」
「相当なところまで来たの」
ガープは嬉しそうに笑う。
「どんな声が聞えた」
「僕を呼ぶ声です」
「彼女か!」
ガープがからかうと、コビーは顔を真っ赤にした。
「よっし、今日はもう良い。それより、彼女に早く会いに行け。お前に声が届くということは、彼女のお前への想いが強いということじゃ」
コビーはガープに礼をし、瞬時に立ち去った。
「鍛錬中よりも素早いわい」
ガープは久し振りに大声で笑った。