第7章 強くなるんだ
そないやったらがため息をついている。
コビーはあの日以来、病院を訪ねて来ない。
コビーもそないやったらも互いの電伝虫の番号を知らないため、連絡が取れない。
(嫌われちゃったんだ。・・・少なくとも、コビーさんはリカさんって人が好きなんだ。だから、会いに来てくれないんだ・・・なんでオルゴールなんかプレゼントしてくれたんだろう・・・期待しちゃったな)
皿を洗う手が止まる。
その途端、涙が溢れる。
我に帰り、がむしゃらに手を動かす。
そないやったらは目の前にある皿に神経を集中させる。
(もうコビーさんのことを考えるのやめよう)