第4章 ヘルメッポ軍曹
ヘルメッポは訓練室で、トレーニングに励んでいる。
どの刀もそうだが、ククリ刀の鍛錬も毎日続けなければ、すぐに腕がなまってしまう。
ヘルメッポは何度もククリ刀の型を繰り返して、身体に覚え込ませている。
「うぁーダメだー」
いつもは型を繰り返す内に無心になるのだが、今日は無心になれない。
「ヘルメッポ軍曹、どうしました?」
隣で鍛錬していた、たしぎが尋ねた。
「なんか、コビーに彼女ができたみたいで・・・」
「あー・・・」
「なんで、なんで・・・」
「軍曹、いつか話してくれますよ。コビー曹長も今は恥ずかしいのでは?」
たしぎは、コビーが自分に話してくれない事をヘルメッポが気にしているのかと思い、励ます。
「なんで俺にはできないんすかっ?!」
「え」
そこかー
「俺の方が身長高いし、カッコイイと思いません?」
「サングラス似合ってますよね」
「そうでしょう?・・・って、サングラス取ったら駄目ってことっすか?」
「いえ、そうではないですけど」
「うわあぁん!俺も彼女欲しいー!」
ヘルメッポは涙を流している。
「うるさい、ヒナ迷惑」
ヘルメッポはヒナに蹴りを入れられて、ますます涙を流していた。
(ヘルメッポ軍曹って面白い方ですね・・・)
たしぎはあっけにとられた。