第1章 マリンフォード病院食堂
「お腹空いたな、今日は何だろう?」
「昼飯のこと考えられるぐらいになったんなら、退院も近いな。」
ドクターが笑って言う。
コビーは顔を赤くして、うつむく。
「おっ!昼飯だ!」
誰かが大声で言う。
病室の患者が一斉に歓声を挙げる。
「そないやったらちゃん、待ってたぜ!」
「そないやったらちゃん、昼はなんだ?」
そないやったらは食事を載せたワゴンを引っぱりながら、患者一人ひとりに声をかけ、食事を渡す。
「早く元気になって下さい!」
「調子どうですか?」
コビーはドキドキしながら、そないやったらが自分の所へ来るのを待っている。
「コビーさん、お待ちどうさまです!」
「あ、ありがとうございます!」
コビーが何かもっと話しかけたいと思った瞬間、もうそないやったらは隣の患者に食事を渡している。
「あ・・・」
コビーは少し寂しそうな顔をした。