第1章 マリンフォード病院食堂
「そないやったら、肉の仕込みできたかい?」
「できました!レタスとトマトの仕込みもセットしました!」
「よーし、じゃあどんどん作っていくよ!」
マリンフォードの食堂では、大勢の調理人や給仕が忙しく立ち働いている。
今日の昼、そないやったらが担当するのはチキンサンドイッチだ。
この献立は、食欲がある患者向けである。
コンビとなっている中年の女性と鮮やかな手付きでサンドイッチを作っていく。
「今、何組できた?」
「1、2・・・50組できたから、あと80いります。」
「まだそれだけかい。もっと早くやってくよ!」
「はい!」
先程よりも更に早く、サンドイッチの山が築かれていく。
「5、10・・・よし!130組できたね!トレーの準備して!」
「はい!」
そないやったらはトレーを調理台に並べていくと、同時にフォークやスプーンもセッティングしていく。
中年の女性がそないやったらの後に続いてサンドイッチを盛り付けていく。
頃合いを見て、男性の給仕が海老のビスクがよそられたスープカップをトレーに載せる。
「はい、デザートだよ。」
高齢の男性調理人がそないやったらにデザートを渡す。ミントグリーンに輝くゼリーが行儀よく、お盆の上に整列している。
そないやったらはゼリーの入ったカップをトレーに載せていった。