第3章 ささやかな
「女に会いたいだぁ?」
ガープはびっくりした顔をしている。
「ヘルメッポに言われるんなら分かるが、お前がか、コビー」
「いいじゃないか。行かせておやりよ」
隣に座るつるが言う。
「ふーん。おつるちゃんがそう言うならな。まあ、いいよ」
「ありがとうございます!」
「礼ならおつるちゃんに言いな」
「つる中将、ありがとうございます!」
「いいよ、早くお行き」
瞬く間にコビーは部屋からいなくなった。
「青春ってやつか?おつるちゃん」
「ふふ、そうだね」
「エースにも味わせてやりたい青春だったな」
つるは何も答えない。その代わり、そっとガープを慈しむような眼差しを向けた。