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潮風【コビー】

第2章 会いたい


コビーは一人、精神を統一している。

瞑想をすることも覇気を会得するための方法だとガープから教わったのだ。

ところが、上手くいかない。

(すぐにそないやったらさんのことを思い浮かべちゃうな・・・どうしたらいいんだろう)

コビーが目を閉じて悩んでいると、誰かが近付く気配がした。

目を開けると、つるの姿がある。

「つる中将!」コビーは慌てて敬礼をする。

「邪魔して悪かったね。なにか悩んでるようだったからね」

「はっ、ご心配をおかけして申し訳ありません!」

「別に謝ることはないよ。お前、見聞色の覇気が覚醒したんだって?」

「はい、そうであります」

「そうか。しかし、瞑想が上手くいかないんじゃないのかい」

「はい」

「お前、誰かを思い浮かべちゃうんじゃないかい」

コビーは驚愕すると共に、頬を真っ赤に染めた。

「ははは、どうやら当ったみたいだね。その人をどう思ってるのか、まずはそれを考えないとね。その人への想いを自分がきちんと認めることから始めてごらん」

つるはそう言うと、その場を離れた。

コビーは敬礼をしたまま、つるの姿を見送った。

「そないやったらさんをどう思っているか、そないやったらさんへの想いをきちんと認めること」

つるの姿が見えなくなると、コビーは再び瞑想に入った。
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