第3章 カラスとネコと
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美月に釘を刺されたこともあって、2人は同じペースで街を走り抜ける。
しばらくして、影山が口を開いた。
「お前ら、すっかり元通りなんだな」
昨日のことだと分かり、日向はうっと言葉を詰まらす。
昨夜の出来事は影山に間を取り持ってもらったようなところもあるため、
そのことで突っ込まれると頭が上がらないのだ。
「なんか…スマン」
「沈んだまま試合出られるより全然マシだからいいけどな」
「ぬっ…!うっせー!!」
「!?コイツ…ッ!」
さっきまでのペースを乱し、日向がぐんぐんスピードをあげ前を行く。
せっかく保っていたペースを崩され、影山は苛立ちをぶつけるように地面を蹴った。
結局、いつも通りの息もつけないロードワークが2人の避けられない運命なのだった。