第3章 カラスとネコと
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「あれっ、おはよ!」
朝の空気を吸いたくて外に出ると、合宿所の前に日向と影山の姿があった。
足首を伸ばしたりとストレッチをしている。
現れた美月に日向がニカッと笑いかけた。
「おはよ…2人とも早いね」
「そういう美月もじゃん!俺らは早朝ロードワーク!」
「朝から元気だなぁ。2人で競争して、体力使い果たさないでね」
釘を刺され日向と影山は「ねーよ!」と反抗するが、かなり的を射た発言である。
(うーん、良いコンビだ)
くすくすと美月に笑われ、日向と影山はワケが分からず顔を見合わせた。
「と、とにかく行ってきます!」
「はい、いってらっしゃい」
美月に見送られ、2人はまだ日の昇らない住宅街に消えていった。