第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
(あー…これは痴話喧嘩かな)
止まない2人の言い合い。
すっかり存在を忘れられた菅原は苦笑いを浮かべる。
最初は見えない彼女の表情に何かフォローを、とも思った。
しかし日向との様子を見ているとそれが要らぬお節介だと分かる。
(この仲直りの早さは幼馴染だからこそなのかな?
・・・まぁ、元気になったんならなんでもいっか)
「じゃ、俺戻るわー」
菅原はスッと席を立つと、
聞こえないとは思いつつも2人に声をかけ、扉に向かった。
すると予想を覆しすぐに気づいた美月が振り返る。
「!!菅原さん!話聞いてくれて、ありがとうございました!」
美月は勢いよく頭を下げ、菅原に笑顔を向けた。
先ほどまでの不安でいっぱいな様子とは打って変わって
キラキラとした笑顔。
(うーん…。大地が気にかけるのも分かる…かも)
まだまだ続く痴話喧嘩に菅原は眉を下げる。
元気な後輩2人にひらひらと手を振って、
菅原は食堂を後にした。