第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
「ん?美月ちゃん、何かあった?」
「!いや、大したことは…」
「大したことじゃないけど、元気なくなっちゃうようなこと、あったんだ?」
優しく微笑まれて、美月は逃げられないなと察する。
美月が先ほどの出来事を話すと、菅原はうーんと唸って腕を組んだ。
「ど、どう思いますか?やっぱり私、日向に嫌われ」
「それはナイ」
食い気味に断言され、美月は呆気にとられる。
菅原はいたって真面目な顔。
「日向が美月ちゃんを嫌いになることはないよ。
今日も美月ちゃんが倒れてからすごかったっしょ?誰よりも心配してたもん」
俺らだってだいぶ心配したんだけどね?と笑って付け加えられて、
美月は申し訳なくなり肩をすぼめた。
そんな美月の様子に、菅原は困り笑顔を見せる。
「大丈夫だよ。そんな気にすんな?」
伸ばされた手は美月の頭をポンポンと優しくなでる。
その感触に澤村を思い出す。
(澤村さんにも頭撫でてもらったなぁ。でも、ちょっと違う。
だけど、安心するのは一緒だ)
「3年生の方々は、皆さんなんというか…包容力がありますね」
「え」