第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
「それ、冷やした方がいいぞ」
「う、ごめん…」
しゅんと小さくなった美月の代わりに、
キッチンに置いてあったタオルを冷水で濡らす。
(マネージャー、こんなテンパったりするんだな。初めて見た。)
「ん」
美月は影山から差し出されたタオルを素直に受け取り目にあてた。
ひんやりとしたタオルは心地よくて、混乱していた美月に少し冷静さが戻る。
「ありがと、影山くん。変なとこ見せてごめんね」
「や、いーけど。そんなに様子おかしかったか?日向」
「うん。私と目、合わせてくれなかったし…イライラしてる感じに見えた」
(…全く気付かなかった。
ちっさい頃から一緒にいると、そういうのも分かったりするもん?)
うーん、と腕を組んで頭上を見上げていると、
「よし!日向に直接聞いてみよう!」
美月はタオルを顔から外し、すっきりした顔でそう宣言した。
気合を入れて食堂を出ていこうとする彼女。
影山はその肩を掴み、引き留める。
「おいボケ!あいつ今から風呂!」
「あ」